スクウェア・エニックスから2007年9月13日に発売の、PSP用アクションRPG『CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII- (クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-)』の感想・レビューです。
 | 【CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII- クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-】 |
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発売元:スクウェア・エニックス |
発売日:2007年9月13日 |
ハード:PSP |
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Amazon.co.jp: FINAL FANTASY VII 10th ANNIVERSARY POTION: ヘルス & ビューティー●「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-」とは
「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」(以下、「FFVII AC」)、「ビフォア クライシス ファイナルファンタジーVII」、「ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII」、と同じ「ファイナルファンタジーVII」の外伝的作品"COMPILATION of FINAL FANTASY VII"と総称されるものの一つ。時間軸は携帯アプリの「BC FFVII」より前で、コンピレーション作品の中で最も過去の出来事を描いている。【Wikipediaより抜粋・編集】
●グラフィックは美麗
スクエニ作品、ファイナルファンタジーシリーズということでムービーが随所に多用されている。それらは、もちろん美麗だ。「FFVII AC」で培った技術が生かされているのか、「FFVII AC」を彷彿とさせるアクションのムービーもある。携帯ゲーム機だからかはわからないが、一回一回のムービーは短めに設定されているようにも思えるが、物足りなさは特にない。通常プレイ画面も、携帯ゲーム機としては美麗な部類に入るのだろう。しかしPSPとしてみるとそう感動を覚えるものではない。綺麗なのは確かなのだが。
●カメラワークに不満
3Dのアクションという事で、個人的に気になるのがカメラワークであった。バトル画面ではカメラがオートな為自分で操作をせずとも適切なカメラ表示をしてくれているように思える。引くことがないので、もう少し離れた視線で見たいと思うときもあるが、許容範囲内と言えよう。問題なのは、移動時のカメラだ。1回転分(180度)好きに回転できると思いきや、壁際等では好きに回転させることが出来ない。例えば、「主人公が壁を向いている時に背中側(後ろ)を見たいと思う時があるのだが、なぜか見れない。」「移動しながらカメラを小刻みに動かし、宝箱を探すのだが、うまく動かない時がある為思うように探せない。」というような不満を感じた。しかしこれは極端な例でもあるので、そう気にする事でもない(あくまでも、個人的に気になったという話)。
●バトル・アクションは・・・
ゲーム全体の難易度としてみれば、携帯ゲーム機だからか、初心者に配慮したのかはわからないが、全体的にぬるめに感じる。まだクリアしていないので断定はできないが、回復さえしていれば攻撃ボタン連打でも勝ち進むことも出来るのではないだろうか。だからといってそれで爽快感があるのかと言うと、アクション的な爽快感を感じずにいる。キャラクターが爽快に動くかと言うとそうでもなく、どこかぎこちなさを感じる動きだ(それがリアルだという見方もあるのかもしれないが)。攻撃回避や防御もあり、一般的なアクションの水準は満たしているが、携帯ゲーム機という制約や、ファイナルファンタジーシリーズという肩書きのせいかはわからないが、どこか中途半端さを感じる作りに感じるし、のめり込むような中毒性をアクションの中に感じない。「携帯ゲーム機でも、初心者でも出来るようにチューニングしました。」といった印象しか受けない。もちろんそれも大切なことだと思うので一概に否定するつもりは無く、自分にはあまり魅力的な作品ではなかったというだけのことである。
●装備は、マテリアとアクセサリのみ
FF7と言えばマテリア。本作のシステムにもその存在感は大きい。使い方の基本は、装備して、戦闘中に選択して発動する。組み合わせ方は無限大で、自分の好みに設定できる(魔法メインとか、物理攻撃メインとか)。マテリア合成というものもあり、その名の通り2つ(2つ以上?)のマテリアを合成させ、強力もしくは元と異なるマテリアを生成出来る。例えば、ファイア+ファイアで少し強力なファイア。ケアル+リジェネでケアルガ、ファイア+ブリザドでサンダーといった感じだ。マテリアの他に、アクセサリを装備できる。体力+30とか、HP+10%、毒無効といった、おなじみの付加効果を持っている。剣や防具の選択肢はなく、装備可能なのはマテリアとアクセサリだけだ。
●D.M.W・・・?
D.M.Wは、デジタル・マインド・ウェーブの略。記憶や思いを力に変えるソルジャーの能力を視覚的に表したもので、本作の戦闘システムの肝である。3つの絵柄が戦闘中に回転し、揃った絵柄や数字によって主人公の能力に一時的な変化をもたらす。パチンコのリールのようなものだ。効果としては、消費MP0や無敵など、プラスな効果が多く、戦況を一変させるものも存在する。絵柄が3つ揃うとリミットブレイク、数字が揃うとレベルアップ、といった効果もある。主人公自体のレベルも、マテリアのレベルも、すべてD.M.W上でレベルアップする。このようにゲームを進めるにあたって重要な役割を担っているのだが、このリールはパチンコと同じく、自分で操作をする事は出来ない。戦闘中に攻撃等のアクションをすることで自動で回り、自動で止まる。全ては設定と運次第というわけだ。自分がパチンコをしないせいもあるのかもしれないが(というかユーザー層の大半がしないような気もするが)、これに面白さを見出すことが出来ない。D.M.W以外にきちんとした成長システムなりがあり、その上におまけとして載っているのであれば何も問題はなかったが、これが全てだ。もちろん、それでストーリー進行上問題がないチューニングになっているのだろうが、何か釈然としないものを感じる。ただアクションのおまけでよかった、と思う。
とあるイベントでD.M.Wを活用したものがあるが、そのアイディアは良かったと、素直に褒めたい。だがやはり全体的に見たら、個人的にはマイナスだった。
●総評
惜しい、の一言。上記した通り、制約のせいか中途半端なつくりに感じるし、そうなるぐらいだったら据え置きで出してもよかったのでは、とも思う。アクションゲームとしては同社のキングダムハーツの方が面白かったと思うし、キングダムハーツはきちんとした実績も残している。PSPで出す意味があったのかと考えても、今のところは特にそういった付加価値は無い。遊べなくもないが、遊びたいと思わせられない。ファンアイテムとして捉えるのが妥当なのかもしれない。ファンにはたまらないが、ファンではない人や前作を知らない人がやっても、作品の出来としてみたら普通と思い、シナリオがよくわからない、と思うような気がする。やり込み要素もあるが、アクションにマイナスポイントが目立つせいでプラスに働いていない。せめてやり込みに、作業感を感じさせてまでやりたいと思うような付加価値(アイテム入手以外の)があればやったのだが。惜しい、の一言。68点。
●限定版
近日写真と共に追記予定(別記事の可能性あり)。
●FINAL FANTASY VII 10th ANNIVERSARY POTION
近日写真と共に追記予定(別記事の可能性あり)。
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アクション的な爽快感は敵の攻撃を回避した時にあるけど(中盤以降は回復だけじゃ破綻する)、中毒性が無いのは同意。
PSPで出す意味に?なのも同意。